- キレーションとはどういう意味ですか?
- キレーション(chelation)は、ギリシャ語で「かにのはさみ」を意味する“chele”を語源とし、キレート剤が目的の金属と結合するとき金属をがっちり挟み込むイメージからつけられた造語です。
- キレーション療法とは具体的にどのようなものですか?
- キレーションとは、キレート剤を経口または静脈点滴により体内に投与し、蓄積された有害金属を排出する治療行為のことをいいます。
- キレーション療法の副作用はどのようなものがありますか?
- 副作用は多くありませんが、有害金属の排出とともに、若干必須ミネラルが排出されてしまうことがあります。その他、DMSA、DMPS、EDTAと使用するキレート剤によって副作用は異なり、DMSAは腹部症状、DMPSは皮膚症状がみられることがあります(キレーションの各副作用については、キレーション療法ページをご覧ください)。
- キレーション療法の副作用の頻度はどのくらいありますか?
- 当クリニックでは延べ5,600件のキレーションを行っておりますが、重篤な副作用はみられません。比較的よくみられる(4〜5%)のは、キレーション開始当初(3回目くらいまで)にみられる、点滴後の倦怠感です。個人差があり、むしろ最初からだるさが改善すると感じる方もいらっしゃいます。
- キレーション療法は高血圧に効果がありますか?
- キレーションにより、血管壁に沈着したカルシウム化合物(プラークなど)が除去され血液の通り道が広くなったり、血管自体の弾力性が回復することで血圧が正常に戻るケースもたくさんございます。当院でも、高血圧でずっと内服治療を続けてこられたケースで内服量が減った方や内服の必要がなくなった方もいらっしゃいます。
- キレーション療法は動脈硬化に効果がありますか?
- 動脈硬化の原因としてカルシウムの代謝があります。年齢とともに本来は骨にあるべきカルシウムが遊離して、血管壁や関節など体内の様々な場所に沈着するようになります。こうして沈着することにより血管壁が肥厚したり、プラークといわれるように血液が流れにくくなるところが出てきます。
キレーション療法では、このカルシウム代謝を改善させるほか、血行の改善、動脈の酸化防止、鉛などの有害ミネラルの除去、血液をサラサラにする効果など、複数のメカニズムにより動脈硬化を改善していきます。
- キレーション療法はどのくらいの頻度で通うのですか?
- キレーション療法は20〜30回で1クールであり、治療開始直後は週に1〜2回の頻度で通っていただくことをおすすめしております。1クール終了後は評価の検査をし、今後の治療頻度のアドバイスをさせていただきます。
- キレーション療法の一回にかかる時間はどのくらいですか?
- 使用するキレート剤の種類・量にもよりますが、よく使われるNa-EDTAの場合、1回1時間30分〜3時間かけて点滴を行います。
- キレーションは自閉症に効果があると聞きました。ほんとうですか?
- 自閉症ということで、すぐにキレーション療法をはじめることは致しません。
自閉症の原因の一つに有害ミネラルの蓄積があるといわれておりますので、まず何の有害ミネラルがどの程度蓄積しているかの検査を行います。その上で、有害ミネラルの排出が必要と判断した場合に治療をスタートいたします。
アメリカで治療中の死亡事故の報告もありますが、それは短時間で多くのキレート剤を入れたために起きたと報告されています。行う場合はしっかりとした基準に沿って行います
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