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2006年03月08日
ハート TO ハート ~心不全を知ろう~
約500万人のアメリカ人が、うっ血性心不全とも呼ばれる心不全の影響を受けています。心不全という言葉は生死にかかわるように聞こえます。しかし心不全は、適切な薬物療法を行い、ライフスタイルを変えていくことでコントロールすることができる病気です。大半の患者は普通の生活を送ることができるのです。心不全とは何か、
心不全の原因は何か、そしてあなたや医師が共に、最善の治療を決める際の手段などを見極めましょう。
●心不全とは?
心不全は、心臓が身体に必要なだけの血液を十分に送り出せなくなる深刻な状況のことです。通常、心不全は、心臓発作や慢性の高血圧といった、心臓に伴う問題を起こしたことで次第に進行していきます。
心不全が悪化すると、心臓から、脳や肺、腎臓といった重要な臓器や組織に運ばれる血液の量が減少し、これらの臓器が適切に機能しなくなるのです。
心臓が効率よく動かなくなるため、血液の循環が悪くなり、静脈への血液が逆流してしまいます。そして静脈内の血液がたまり、周辺の組織にうっ血が起こります。余分な体液が、下肢やくるぶしに溜まりやすくなるので、むくみや腫れが生じるのです。
うっ血性心不全(CHF)は、余分な体液が肺の中に漏れることにより、呼吸困難、疲労、衰弱を引き起こし、睡眠が途切れがちになったりします。
----------------------------------------------------------------------心不全の原因は?
心不全には様々な原因があります。下のような、心臓の損傷が原因となります:
○以下を含む冠動脈疾患:
●心臓発作
●心臓に血液を供給する動脈の狭窄
○高血圧
○以下を含む心筋の損傷(心筋症):
●代謝障害(糖尿病)
●炎症/伝染性の毒素(アルコール/化学療法)
○心臓弁の異常(心臓弁膜症)
○出産時の心臓欠損(先天性心疾患)
○以下を含む慢性肺疾患:
●肺気腫
●慢性気管支炎
----------------------------------------------------------------------心不全の症状とは?
心不全の一般的な症状:
○軽い運動や休息中でさえも発生する息切れ
○下腿部やくるぶしの異常なむくみ(浮腫)
○倦怠感や衰弱
○睡眠中の窒息感
○体液うっ滞による体重の増加
もしこれらの症状が出た場合は、すぐに医師に相談してください。心不全かどうか診断できるのは医師だけです。
----------------------------------------------------------------------症状を診断するときに医師が用いる検査は?
病院に行くと、あなたに心不全の危険因子があるかどうか確認するため、医師はあなたの病歴をたずねます。一通り診察をした後、医師はあなたの心臓の状態を評価し、次のような検査を行うはずです:
●胸部X線
--- 心臓拡大の検査
●心電図(ECGまたはEKG)
--- 以前の心臓発作といった、心臓の異常を診断するための電気的活動の記録
●心エコー図
--- 心臓や弁の映像を生成するために音波を用い、心不全の様々な原因を認識することが可能
●Nuclear ventriculogram
--- 心臓の動きを評価
●心臓カテーテル法
--- 冠状動脈の病気を診断し、以前の心臓発作を評価する
●心筋生検
--- 心不全の不明な原因を診断するのに役立つ
心臓のポンプ作用は、よく駆出分画で表されます。駆出分画とは心エコー図、nuclear ventriculogramや心カテーテル法を用いて、収縮した心臓から送り出された血液量の測定法のことです。この方法は心臓への損傷程度をはっきりさせるために必要であり、実際に心不全の進行を防ぎ、長生きすることができるような薬(ACE阻害)を、身体が受け付けられるかどうかを判断するために用いられます。
----------------------------------------------------------------------自分の症状を管理するために役立つことは?
まず医師が最初にするべきことは、心不全の根底にある原因に対処することです。例えば、もしもあなたが高血圧だったら、医師はあなたに塩分の摂取量を制限させて、他の手段をとるように管理するよう働きかけます。
また担当医師は特定の薬物治療を用いて、心不全の症状の管理をします。通常の心不全に処方される薬は、ACE阻害薬、利尿薬、ジギタリスを含みます。
●ACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害薬は、血管内の血圧を低くするために用いられる薬です。これらは、降圧作用のある薬で、それ以上心筋が弱くならないようにする予防に役立ちます。
●利尿薬は、下半身や肺に蓄積された余分な塩分や水分を除去するのに役立ちます。また心臓の負荷を緩め、息切れや腫れた足首の不快な症状を和らげます。
●ジギタリスは、各心拍を強くし、より多くの血液を送り出すようにします。
利尿薬やジギタリスは両方とも症状を和らげますが、心不全による入院を予防したり長生きするとは示されていません。
----------------------------------------------------------------------心不全の患者が長生きするために役立つことは?
高血圧用に幅広く処方されるACE阻害薬は、心不全の患者が長生きし、より活動的な生活を送るのに効果的だということが、最近行われたいくつかの研究で示されてきています。ACE阻害薬は心不全の症状を和らげ、病院に行く可能性を低くすることが分かっています。心臓機能が衰えていながらも、まだ症状が出ていない人々にとっても、心不全への進行を予防するために使える薬です。このような薬は、慢性心不全になりやすい人々の、症状が進行する可能性や、生活スタイルに深刻な影響を与える可能性を減少させます。
----------------------------------------------------------------------回復するために何ができますか?
医師の忠告に基づいて、心不全に対処し、症状を管理するため、自分の生活スタイルを変えていくことになります。重要なのは、心不全に導くような、また心不全を悪化させるような状態をコントロールすることなのです。また身体が多量な水分を貯めないために、摂取する塩分を減らしていくことも必要です。太りすぎの場合は、心臓の負荷を軽減するために体重を減らし、摂取する脂肪分やコレステロールを制限するようにしてください。目的達成のための最善策を、担当医と相談してください。担当医は、あなたの体調の重症度に応じ、運動を制限すること、そして十分な休息をとることを忠告するでしょう。
心不全の有効な治療法に必要なのは、あなた自身と家族、そして担当医とのチームワークです。
心不全の治療を開始するのが早期であればあるほど、エネルギーを維持し、症状を管理でき、心臓へのさらなる損傷の予防をすることができるのです。
----------------------------------------------------------------------いったん回復しても、薬物治療を続ける必要があるのですか?
あなたが薬物治療を始めて、他の治療法に従ったところ、体調が回復してきたからといって、心不全がなくなったというわけではありません。塩分摂取や活動に関する制限を厳しく守り続けるべきです。薬を処方されているのであれば、指示されたとおりに服用し続けましょう。
薬物治療に何か問題があったら、すぐに医師へ報告してください。まず、担当医に言われない限りは、絶対に用量を変えたり服用を止めたりしないでください。このような行為により、より深刻な症状になったり、さらには入院するほどまでに悪化する可能性が出てきます。
----------------------------------------------------------------------医師と面談するときの心構えは?
医師と話す前にあなたが準備できることはいくつかあります:
●どう感じるか、毎日の日誌をつけます。
新しい薬物治療や治療計画を開始し、どう感じたか自分の症状や変化を思い出すためには非常に重要なことです。医師は、薬物治療をあなたに適合させるため、またあなたが適切な治療を受けているか確認するために、この情報を知る必要があります。
●事前に質問や懸案事項を書き出しておいてください。
これにより医師と一緒に考えることもできます。また会話が始まってから、あなたが重要なポイントを忘れることもないでしょう。
●医師との面談中は重要なポイントを書き留めてください。
医師と話すときには書き留めておくための筆記用具を持参するか、またはあなたが質問をしたり聞いたりしているときに、ノートをとってくれる家族か友人を連れて行くといいでしょう。
●恥ずかしがらずに質問してください。
理解できない医学用語は医師に聞いて明確にし、繰り返すか、もし必要であれば情報は書面にしてらってください。検査や処置に関する理由をきちんと理解して、理解していなければ聞いてください。
●帰る前に、医師に指示された重要な部分を確認してください。
これは「新しい薬を1日に1度服用し、自分の状態がどうかを伝えるために1週間以内に電話するのですよね。合ってますか?」という具合に簡単にチェックすることを意味します。あなたが重要なポイントを聞き逃していないか確かめるために、医師に簡単に説明してもらうよう頼みましょう。
投稿者 : kenkoo 15:06
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