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2007年04月24日

生涯、学び続けるマイアヴィン・H・エルスタッド医師

“マイアヴィン・エルスタッド”という名前は心臓病学の草分け的存在として世界的に知られています。
エルスタッド医師は過去50年にわたり、心臓病の研究と治療の分野でリーダーとして活躍してきました。

しかし彼は、単に尊敬を集める心臓内科医というだけではありません。
故郷のカリフォルニア州では、作家、マイホームパパ、人類学ファン、
地域活動に積極的な住民、多才で偉大な人物としても有名なのです

事実、彼は84歳という年齢にもかかわらず、じっとしていることが
ありません。

カリフォルニア州にあるロングビーチ記念病院で心臓研究所所長を
務め、また個人開業医として心臓疾患の治療も行う傍ら、
定期的にテニスを楽しみ、世界を旅行し、
妻、8人のこども、そして7人の孫と過ごす時間も大切にしています。

エルスタッド医師は「時間は作るからあるのです。それに私は睡眠時間は少なくても大丈夫なのです」と語ります。

若い頃から彼の生活は多忙を極めていました。

カリフォルニア州の小さな町、アーバンで育った彼は、
陸上競技、バスケットボール、スキーが得意で、
ボーイスカウトや地域のダンスバンドでも活動していました。
また250匹のウサギを育てて販売するなど、家でも仕事をして
いました。

エルスタッド医師は次のように語ります。
「こどもとしては自由だった方ですが、両親からは大きな期待をかけられていました。
私には責任のある仕事を与えるべきだという強い信念を父は持っていたのです。」

エルスタッド医師の専門家として野望は、こども時代に起因しています。

彼は次のように述べています。
「私は7歳の時、連鎖球菌感染症を患いました。
しかし町で唯一の医師が、私のことを“腎臓病で心臓の働きも弱い”と診断したため、
数カ月間、ベッドでの安静を強制されました。
最終的にはマックス・ドゥノヴィッツという別の医師によって、安静にする必要はないと診断されました。
言うまでもなく、マックスは私のヒーローとなり、大人になったら彼のような医師になりたいと思いました。」

そして、それは実現しました。

彼は医学部を卒業すると軍医になり、心臓病治療のパイオニアとして
活躍。
生涯を通じ、患者を元の健康な状態に戻すための新しい方法を探してきました。

若い頃は、未知のことを学べる機会や、新しい治療法を見つける
チャンスがあるならと、継続的に先端の任務に取り組んできました。
その結果、彼は現在までに数々の目覚しい医学革命を実現しました。

彼が行った医療の例:
○心臓の開胸手術に初めて血液バンクを活用
○大腿静脈を使って永久ペースメーカーを埋め込む方法を開発
○加齢の要因に関して多臓器で評価する研究所の設立
○胸痛患者のトリアージにおいて炎症マーカー検査を導入

エルスタッド医師は言います。
「心臓病研究に携われたことを誇りに思います。
ある問題を解決するために、常に違う答えや方法を模索してしまうのです。これが私の性格です。」

患者のために常に新しい治療法を探し求めた結果、
彼は心臓ストレス検査の第一人者となりました。
これは患者の心臓がどれほどの運動量に耐えられるのか判断し、
心臓病の重症度を予見するための検査です。

現在、彼の著書「Stress Testing Principles and Practice(ストレス検査の理念と実践)」の第5版は、
心臓病学の学生にとって必須の書物となっています。

彼の人生の中心は“研究と患者”です。
しかし彼はは40年連れ添った妻レラのおかげで成功できたのだと
語ります。
「妻は私に強さを与えてくれる大切な源です。
常に患者が優先される医師の妻でいることは、大変なことだと思います。
しかしレラは、いつも私の支えになってくれました。」

エルスタッド医師は医療行為とは別に、
学ぶことにも情熱を注いできました。
世界を旅して人類学的に重要な土地を訪れました。
特にガラパゴス諸島など、ダーウィンや人間の進化の歴史にかかわりのある土地は重点的に訪問しています。

これらの旅からアイデアを得て書かれた彼の著書「The World and Its Animals(世界の動物たち)」は、
10歳の孫娘の好奇心にも影響を受けています。
孫娘は、彼と同じくらい学ぶことが大好きで聡明な少女です。

エルスタッド医師は、次のように述べています。
「若い心臓内科医たちには、学習は生涯のものだということを伝えたい
ですね。
医学部を終了した時点で学習が終わるわけではありません。
個々の患者からも何かを学べるはずです。
学び続けることで、何か新しい知識を医学界に提供することもできます。
私は自分の人生が、いい手本になるように努力しているのです。」

投稿者 : kenkoo 13:14 | トラックバック (0)