2006年01月27日
自然の秘密を徹底的に調査する
レイ・クライスト博士の人生は一周して元に戻ってきました。少年時代、ペンシルベニア州にある農場の自然に魅了された博士は、最終的に原子力時代の幕開けにおいて、極めて重要な役割を果たすことになります。101歳になってもクライスト氏は、いまだに自然の秘密を明らかにしようと取り組み続けています。
「私はただ物事の本質を理解したいだけなのです。私を突き動かす原動力は、好奇心なのです」とクライスト氏は言います。
クライスト氏は最大の好奇心に駆り立てられ、毎朝7時30分に研究室に直行します。通常、博士はペンシルベニア州メシアカレッジのキャンパスにある研究室で午後6時ごろまで作業します。「職場に行くと好奇心が満たされるのです」と博士は説明してくれました。クライスト氏は1963年から、1ドルという微々たる給料をもらいながら研究室で働いてきました。「もしも満額で給料をもらっていたら、個人的に興味のある事柄を追い求めることができなかったでしょう」と博士は言います。クライスト氏は、自分の道のりを切り開いていくのが好きなのです。なんという道のりでしょう!
クライスト氏は1920年にディッキンソンカレッジで化学の学位を取得した後、コロンビア大学に移り、1926年に化学の博士号を取得しました。その後、特別研究員としてヨーロッパに移りました。1930年代後半はベルリンとミュンヘンで過ごしたクライスト氏は、ノーベル賞を受賞したアルベルト・アインシュタインやハロルド・ユーリーといった第一線の科学者たちと親しくなりました。
19年間、コロンビア大学で教師をした後、クライスト氏はウェスト・バージニアに移り、ユニオンカーバイドの基礎研究機関(Institute for Basic Research)を率いました。「これ以上いい仕事はありませんよ」とクライスト氏は当時を振り返りました。
そしてクライスト氏は、次第に工業社会の環境効果について関心を持つようになりました。彼は自然環境に化学製品が流出するという事件に悩まされたのです。その後、博士は自然そのものが清浄化の役に立ちはしないのかという考えを持ちました。
1963年、博士は調査に専念するためユニオンカーバイドを辞めました。博士はペンシルベニア州に戻り、ディッキンソンカレッジ、そしてメシアカレッジへと移りました。化学的な学術論文を多数残した後も、いまだにクライスト氏は仕事に没頭しています。彼が手掛けている現在のプロジェクトは、紙を作るのに用いる木材パルプの副産物である、リグニンという粉末状の物質に関係したものです。何年もの間、リグニンは無益な廃棄物であると考えられていました。しかしクライスト氏は、リグニンは水を吸収するスポンジのように、有毒金属を吸収できるということを発見したのです。クライスト氏はサウスカロライナの製紙会社と共に、汚染水から汚染物質を吸収するリグニンの固形シートを開発しました。そして最終的には、この製品を市販品として売り出すことも考えています。
また、クライスト氏は明るい面を見て、信じ続ける人です。
クライスト氏が黄斑変性により視力がかなり悪化した時は、彼の同僚と共に光を拡大し、周辺視野を最大限に広げるプリズムを有した眼鏡を開発しました。今では、実験器具の目盛りも読めるまでに回復しました。「これは大きな違いですよ」と博士は言います。
クライスト氏は、自分のインスピレーションは、忙しくすることから発生するものと信じています。
「もしあなたが座りっぱなしで何もしなかったら、何のアイデアも浮かびません。だから外に出て、何かした方がいいですよ」とクライスト氏は言います。
「考えてみて、あなたの心を刺激するものがあれば、その種を蒔いて育ててみてください。物事は小さなところから始まりますが、それらは最終的に大きなものになります。私はただ、自然が私に何を語りかけているか注意を払っているだけなのですから」
投稿者 : kenkoo 14:57 | トラックバック (0)
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アンチ・エイジングに関する真実 ~ビタミンとミネラルのメリット~
老化した肉体のケアといえば、
・定期的な運動をする
・脂肪の摂取量を減らす
・コレステロールをチェックする
・十分に休息する
・バランスの良い食事を摂る
といったことがすぐに頭に浮かびます。
ところで、バランスの良い食事とは、ずばりどんな食事なのでしょうか? 多くのビタミンやミネラルには、本当にアンチ・エイジングのメリットがあるのでしょうか? もし、あるとしたら、どのビタミンやミネラルを摂るべきなのでしょうか?
リサーチは、1日あたりの推奨摂取量(RDA)を超えたビタミンやミネラルの補給により、加齢に伴う疾患リスクを減らすことが可能であると示唆しています。しかし、専門家の間でさえも、どのビタミンやミネラルがどのような人に、どのレベルで効果を発揮するのか、食事から摂取すべきか、それともサプリメントを摂るべきかなど、まだ、議論の余地が多くあるのです。
食事から適切な栄養素を摂取するのが好ましいという意見に多数の人が同意していますが、現実には、バランスの良い食事をしている人は多くありません。
それでは、具体的にどのように摂取すべきなのでしょう? うまくいけば、近いうちに、現在進行中のリサーチにより、更に明確な回答が得られるでしょう。ここでは、ビタミンとミネラルに関する一般的に合意されているヒントをご紹介します。
ガイドラインは常に変更されているということを覚えておいてください。1999年3月から表示され始めた、サプリメントのボトルに貼ってあるラベルの情報でさえも変わっています。情報は、紛らわしかったり、誤解を招いたり、古い情報であることが多いのです。また、こうした情報は、薬物相互作用の可能性、最大安全摂取量、さらに、どのような人がそのサプリメントを摂るべきか、あるいは、避けるべきかといった特定の推奨例を示していません。
●慎重にアプローチすること
サプリメントについて更に詳しくわかるまでは、この件に関して研究中である国立衛生研究所、食品医薬品局、全米科学アカデミー、連邦取引委員会、公益科学センター、保健福祉省、さらに、米国適正栄養評議会(ワシントンに拠点を置く業界団体。100社以上の栄養サプリメントを取り扱っています)などの多くのグループが、慎重な姿勢と厳密なセルフ・エジュケーションを勧めています。
(注:この情報はアメリカで提供されている情報を翻訳したものなので、上記団体および機関は、すべてアメリカの団体を指しています)
たとえば、全米科学アカデミーでは、1日あたりの推奨摂取量(RDA)以上の栄養素摂取のメリットを裏付ける有効な科学的証拠は存在しないことを強調しています。また、米国適正栄養評議会の副会長であるジョン・ハソコックのコメントが、最近のウォールストリートジャーナルに引用されています。
「消費者はもっといろいろと読むべきです。本質的に疑ってかかることです。最新の健康アドバイスにを誤解しないようにしましょう。」
●主治医と話し合おう
実行できる最も重要な措置は、自分の病状にとって最善のことは何か、主治医と相談することです。ビタミンとミネラルは、現在服用中の処方薬と相互作用する可能性があります。また、特定の人にとっては、高用量の栄養素が非常に危険なものになる可能性があります。(例えば、セントジョーンズワートという抗鬱作用のあるハーブのサプリメントは、HIV感染の治療に使用される強力なプロテアーゼ阻害剤および、シクロスポリンという薬を服用し心臓移植手術を受けた患臓2名の臓器拒絶反応の相互作用に関連付けられています。)
●ビタミン類
マルチビタミン錠剤:
従来のマルチビタミンで、毎日の食事で不足している栄養素を補うことが有害であると示唆する証拠は存在していません。ただし、健康的な食事の代わりにサプリメントを使わないことです。マルチビタミンは、必要最小限の栄養素を確実に摂取するための、簡単で低価格な方法です。しかし、マルチビタミンのフォーミュラには、イチョウ葉、朝鮮人参といった、余分な「植物の」成分が混入されていることに注意しましょう。植物に関しては、十分に知られていないため、薬品との相互作用のリスクを高める可能性があるのです。
ベータカロチン:
過去10年に行われた多数の研究は、ベータカロチンを多く含む食品を多く摂取すると癌のリスクが減ることを証明しています。ベータカロチンは、心循環器疾患や、記憶力低下を予防すると考えられていますが、その効果を裏付けるための、多くの研究が必要とされています。高用量のサプリメントを摂るように食事からベータカロチンを摂取することがベストであるという事に関しては賛否両論があります。最近のフィンランドの研究によると、実は、多くの場合、喫煙者の癌のリスクを高めることが明らかにされました。ベータカロチンが豊富に含まれている食品は緑黄色野菜、緑の葉野菜などです。
葉酸:
加齢とともに、この重要な栄養素の吸収力が低下します。一日あたりの推奨摂取量は400mcg です。高値の葉酸とビタミンB6は、女性の心臓病のリスクを下げることが明らかにされています。葉酸が豊富に含まれている食品は、葉野菜、レバー、酵母および一部のフルーツなどです。
ビタミンA:
ビタミンA毒性の危険があるので、高齢者は、ビタミンAのサプリメントを摂るべきではありません。 ビタミンAは、簡単に吸収されるので、肝臓に蓄積されやすく、身体の浄化機能を低下させる毒素を作りだす傾向があります。ビタミンA毒性の症状は:頭痛、眠気、めまい、興奮、吐き気、嘔吐、下痢などです。慢性の毒性症状は:肌荒れ、発毛障害、倦怠感、肝臓や脾臓肥大。
ビタミンB6:
一日あたりの推奨摂取量は4mg です。高齢者の多くは、病気と戦う力および、心臓病や脳溢血のリスクファクターであるホモシスティーンの増加に影響をおよぼすビタミンB6の欠乏症です。ビタミンB6を豊富に含む食品は:鶏肉、魚、人造、肝臓、豚肉、卵ですが、玄米、大豆、大麦、全粒粉でできた食品、ピーナッツ、胡桃にも含まれています。
ビタミンB12:
ビタミンB12の一日あたりの推奨摂取量は0.01mg です。高齢者の20人のうち1人は、貧血、神経疾患、その他の重篤な症状を呈するビタミンB欠乏症です。ビタミンB12を豊富に含む食品は、赤身や内臓肉です。
ビタミンC:
1日あたりの推奨摂取量は200mgです。一部の研究者は、一日の推奨摂取量を最大2000mgとしていますが、人によっては、1000mg以上の服用が腎臓結石や慢性下痢の原因となることがあります。ビタミンC欠乏症は、創傷治癒の遅延、易傷性、壊血病に関係しています。最近の研究により、低値の血中ビタミンCは、高齢者の記憶障害に関係していることが証明されています。ビタミンCを豊富に含む食品は:柑橘類、ベリー類、ピーマン、ジャガイモ、トマトです。
ビタミンE:
1日あたりの推奨摂取量は、200~400IUですが、恐らく、ビタミンEのサプリメントは必要ないでしょう。 豊富に含んでいる食品は、一般的なベジタブルオイルや、ベジタブルオイルでできた食品、マーガリン、ショートニング、小麦胚芽、ナッツ、緑の葉野菜などです。
●ミネラル類
鉄と場合によってはカルシウム以外のミネラルの必須量は、年齢によって変化することはありません。以下はミネラルのガイドラインです。
カルシウム:
1日あたりの推奨摂取量は、男性の場合1200mg、女性は1500mgです。通常の高齢者の食事では、だいたい推奨量の半分しか摂取できないので、1日の摂取量を満たすには、カルシウムのサプリメントを摂るべきでしょう。カルシウムには、加齢に伴う骨密度低下を遅らせたり、骨折を防ぐ働きがあります。カルシウムを豊富に含む食品は:乳製品、ブロッコリー、ケール、コラード、カルシウム強化食品などです。
鉄:
閉経後の女性の鉄の必要摂取量は、以前より少量でよいと言われています。しかし、鉄の欠乏症は高齢の女性に多く見られます。たぶん、これは、質の悪い食生活および、胃や内臓の鉄の吸収力の低下によるものでしょう。もし医師に鉄のサプリメントを勧められても、食事から鉄分を摂るようにしてください。鉄を豊富に含む食品は、肉、卵、野菜、強化シリアルなどです。
セレン:
抗酸化作用のあるミネラルです。1日あたりの推奨摂取量200mcgによって、死亡総数の50パーセントを減少させ、肺癌、結腸直腸癌、前立腺癌の発症を大幅に減少させることが関連付けられています。豊富に含まれている食品は、魚(特にマグロ)、アスパラガス、ブラジルナッツ、肉、鶏肉、パンなどがあります。
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