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キレーション療法

◆ キレーション療法とは何か?

キレーション療法の歴史は古く、鉛など有害ミネラルを体外に排出するための治療として1940年代から行われています。体内で有害なミネラルと結合し体外に排出する作用のあるキレート剤を、点滴や経口で投与します。排出したいミネラルにより投与するキレート剤が異なります。語源はギリシャ語のキレ(Chelle:カニのはさみという意味)で、キレート剤が、ミネラルをはさみこむ(結合する)現象に由来しています。

1950年代に、キレート剤としてNa-EDTAという合成のアミノ酸を用いたキレーション療法が、心臓病や循環疾患に有効であることが偶然発見されました。第二次大戦の帰還兵たちが、戦艦を塗装中に、ペンキに含まれている鉛による中毒になり、治療としてキレーション療法を受けました。すると、今まで動脈硬化による胸や足の痛みを訴えていた兵隊たちの症状が、改善されたことに医師たちは気付いたのです。このことをきっかけに、米国では、100万人以上の人が心臓疾患や動脈硬化に対してこの治療を受けています。

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◆ キレーション療法の適応

キレーション療法の適応は、

1. 有害ミネラルの排出(鉛、カドミウム、水銀、ヒ素など)

2. 冠動脈疾患、糖尿病性動脈閉塞などの動脈硬化性疾患

3. その他

  • 高血圧症
  • 末梢神経障害
  • 自己免疫疾患(リウマチなど)
  • 頸動脈疾患
  • 変形性関節症
  • 脳血管疾患
  • 末梢血管障害
  • 繊維筋痛症
  • 間欠性跛行
  • 骨粗しょう症
  • 神経障害
  • 傷の治りが遅い

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◆ キレーション療法の動脈硬化に対するメカニズム

キレーション療法が動脈硬化に有効である理由として、血行の改善、動脈の酸化防止、鉛などのからだに有害なミネラルの除去、カルシウム代謝の改善、血液をサラサラにする効果など、複数のメカニズムが考えられています。

キレーション療法は、単に動脈硬化に効果があるだけでなく、抹消循環の改善や流れている血液の状態そのものも改善することで様々な病気の予防につながります。

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◆ 動脈硬化に対するキレーション療法の実際

Na−EDTAを1時間30分〜3時間かけて点滴します。20〜30回の治療を、週に1〜2回の頻度で行う方法が一般的です。コースが終わった後は、月に1〜2回の維持治療を行います。(点滴ルームの写真?)。EDTAは消化管からほとんど吸収されないため、経口投与では効果が見られません。

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◆ 動脈硬化に対するキレーション療法の副作用

動脈硬化に対しては、Na−EDTAというキレート剤を用います。Na−EDTAを用いたキレーション療法には以下のような副作用が起こる可能性があります。

腎障害
Na−EDTAを急速に点滴すると腎臓に障害を与える可能性があります。定められた方法で行えばこのような副作用は予防できます。
必須ミネラルの減少
有害ミネラルの排出以外に、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などの必須ミネラルも、若干、体外に排出されてしまいます。その良は有害ミネラルに比べ少量で、キレート剤の種類により程度は異なります。いずれにしても、キレーション療法を行う際には、必須ミネラルの補充が必要です。治療期間中は必須ミネラルをサプリメントとして摂取することと、キレーション療法5回ごとに1回ミネラル点滴を行います。
疲労感・脱力感
数%に点滴後、疲労感、脱力感、頭痛などがあります。これは、有害なミネラルが体内から血管内に移動し尿中に排出される減少に伴うもの、また、必須ミネラルが減少することと関係があります。こうした症状は、キレーション治療を始めたころに多く、3〜5回と治療が進むにつれて消失する傾向があります。必須ミネラルの補充や必要に応じたキレート剤の量の調節で対応します。
低血糖
キレーション治療には血糖値を下げる作用があるため、空腹時に点滴をすると低血糖を起こすことがあります。キレーション治療前には食事を摂っておくことが望ましいです。やむを得ず、空腹の状態で治療を受ける場合でも、点滴ルームには、あめなどをご用意しております。
アレルギー
非常にまれですが、EDTAにアレルギーのある方はこの治療を継続することはできません。

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◆ 重金属の排出を目的とするキレーション

排出したい有害ミネラルにより投与するキレート剤が異なります。鉛やカドミウムに対してはEDTA(エチレンジアミン4酢酸)、水銀やヒ素に対してはDMPS(2-3ジメルカプトプロパン-1-スルホン酸塩)やDMSAというキレート剤を用います。

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◆ 有害ミネラル蓄積の症状

疲れやすい、肌荒れ、アレルギー、むくみやすい、便秘・下痢、筋肉・関節の痛み、頭痛、頭が重い、イライラや集中力低下、目の疲れ、体重が増えた、冷え性、肩こり、めまい、しびれ、風邪をひきやすい、などの症状がみられます。これらの症状は、病院で検査をしても病名がつかず、治療の対象とならないことも多いのです。しかし、ほうっておくとさまざまな病気の原因となってしまいます。

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◆ 有害ミネラルの蓄積を調べる検査

体内の有害ミネラルを簡単に調べる方法としては毛髪検査があります。これは、過去3〜6ヶ月にどのような有害ミネラルに暴露されたかを評価するのに有用です。

実際に体内にどれだけの有害ミネラルが蓄積しているかを調べるには、provocation testあるいはchallenge testと呼ばれる尿検査を行います。実際にキレート剤を投与し、その後の尿に排泄される重金属の量を測定する検査で、治療効果を評価する際にも有用な検査です。

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◆ 有害ミネラルに対するキレーション療法の実際

鉛、カドミウム、アルミニウムなどに対しては、Ca−EDTAの点滴を行います。この場合、点滴時間は、1回20−30分です。 水銀、ヒ素に対してはDMPSの点滴を行います。この場合、点滴時間は、1回30分です。点滴の代わりに、DMPSやDMSAの内服治療を行うことがあり、この場合、1ヶ月に6日間内服します。

点滴の場合、週に1回〜2週に1回点滴を行い、10回終了した時点で再評価します。内服の場合、3ヶ〜4ヶ月後に再評価します。 症状が改善または消失した場合、あるいは15−20%有害ミネラルが減少した場合、が治療終了の目安になります。

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◆ DMSAの副作用

腹部症状
腹痛や腹部膨満感、下痢などの胃腸症状が10%の患者に見られます。副作用のほとんどが腹部症状で、症状が強い場合は、内服を中止する必要があります。中止により症状は改善します。
皮疹(治療継続困難例も報告されている)
頻度は高くないですが、症状が強い場合は投与を中止します。
アレルギー
DMSAにアレルギーがある場合、治療継続はできません。
その他
肝臓酵素(AST/ALT)の上昇が報告されています。

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◆ DMPSの副作用

皮疹(多形性紅斑など)
DMPSによる最も多い副作用は皮膚症状です。ほとんどは、投与中止により改善します。めまい・動悸など一過性の血圧低下、めまい、動悸が報告されています。これは、投与速度が速すぎる場合に起こることがあります。点滴速度が原因の場合、点滴で30分かけて投与すれば安全に行うことができます。
必須ミネラルの減少
DMSAに比べ、銅、亜鉛などの必須ミネラルとの親和性が高く、体外に出やすくなってしまいます。キレーション療法期間中は、必須ミネラルの補充が必要になります。
アレルギー
DMSAにアレルギーがある場合、治療継続はできません。
その他
肝酵素の上昇、ヘモグロビン濃度の減少が報告されています。

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◆ 院長紹介

澤登 雅一 (さわのぼり まさかず)

医学博士
東海大学血液腫瘍内科非常勤講師
日本内科学会認定内科専門医
日本血液学会専門医
抗加齢医学会専門医
米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医

1992年、東京慈恵会医科大学卒業後、血液内科医として日本赤十字社医療センターで血液のがんの臨床に従事。病気を診る立場から、病気にならないことの重要性を痛感し、アンチエイジングの世界に飛び込む。著書に、『人より20年長く生きて、20歳若く見える』 (ディスカヴァー)

澤登雅一
Dr. Hunninghake(右) Dr. Jacksonとともに。

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またご予約をご希望の方は、下記フォームよりお問合せください。

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